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秋山祐徳太子個展「高貴骨走」 奇抜でおちゃめなブリキ彫刻(産経新聞)

 パフォーマンスやブリキの彫刻で知られる美術家、秋山祐徳太子(ゆうとくたいし)(75)の4年ぶりの個展「高貴骨走」が東京のギャラリーで開かれている。

 ギャラリーには無数のブリキの彫刻が並ぶ。着色はなく素材そのもののグレーで、どれもが背中に円盤を背負っている奇抜な姿で、「ダリコ佛(ぶつ)」と名付けられている。

 「ダリコ」とは、グリコのキャラメルの看板の両手を挙げてゴールするポーズをヒントに、ランニングシャツと半ズボン姿で日の丸を背負って路上を走る秋山のダリコ・パフォーマンスに由来する。40年以上前から実践しているが、その姿と仏像を合体させた。背中の円盤のような後背は、日の丸と重ね合わせた。

 大きなものでは1・2メートル、小さなものは20センチほど。小さなものは顔はなく、大きなものは仏像というよりはロボットのように硬く強そう。が、顔はやさしく、片目をつむりウインクしておちゃめ。

 ブリキ板にアクリル絵の具で描いた「佛のみちびき」や「空中金魚」はブリキ板の上に蚊取り線香や金魚、ビーズもはられ、昭和のレトロな雰囲気に満ちている。

 本人も「なんだかわからない」という虫の怪物「脳虫力」なる作品もあり、子供に戻ったような無邪気さにあふれる。純粋に創作を楽しんでいるようだ。楽しさに引きつけられるのか、「ダリコ佛」の大半が売約済み。秋山自身も「これほど売れるとは信じられない」と笑う。出口の見えない閉塞(へいそく)感のある社会で、みな助けを求めて仏にすがりたいと思っているのだろうか。

 秋山は昭和10年、東京生まれ。武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)彫刻科卒。48年、個展でブリキの彫刻を発表以後、ブリキ彫刻に取り組んでいる。東京都知事選には50年と54年に立候補。2度目の選挙ポスターは大阪の国立国際美術館をはじめ、いくつかの美術館に収蔵された。

 選挙もパフォーマンスにし、選挙ポスターもアートにしてしまった。そんな秋山の活動を知らない世代に対し、選挙活動を8ミリ映像で見せている。4時間におよぶ映像を13分に縮めたという。個展には選挙ポスターも展示されている。

 27日まで(日月休、27日を除く)、東京都新宿区住吉町のアイショウミウラアーツ(TEL03・6807・9987)で開催中。(渋沢和彦)

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